算数のつまずきを早く見つける小1検査と子どもの学びを支える工夫-長野県では

計算の答えが合っていても、実は数の理解に困っている子がいるかもしれません。
長野県の小学校では、小学1年生を対象に検査を行い、算数につまずく子を早期に見つけ、その子に合った学び方につなげています。
(※2026年3月23日の朝日新聞の記事を参考にしています)

答えだけでは分からない子どもの困りごと

算数障害は、知的発達に遅れがなくても、計算や文章題などの学習に著しい困難を示す学習障害の一つです。
長野県御代田町の御代田北小学校では、2023年度から1年生を対象とした算数障害のスクリーニング検査を行っています。
検査では、10までと20までの足し算、引き算を時間内に解きます。
教員は正解数だけでなく、指を使う子や途中で手が止まる子など、問題を解く様子も確認します。
宿題やテストで正解していれば、周囲は困っていないと思いがちです。
私自身も、答えが合っていれば理解できているものだと考えてしまいますが、解く過程を見ることの大切さを感じます。

低学年のうちに支援を始める理由

同校では、検査で気になった子に少人数指導を行い、2年生で九九が始まる秋までに、20までの足し算と引き算を頭の中で素早くできる状態を目指しています。
中学校の数学でつまずいた生徒を振り返ると、小学校低学年の算数に原因が見つかる場合があるといいます。
分からなくても騒がず、黙って固まってしまう子は、困っていることに気づかれにくいものです。
「そのうち分かるだろう」と様子を見るうちに、学習内容が積み重なってしまう可能性もあります。
早い時期の検査は、子どもに苦手という印を付けるためではなく、必要な支援を早く届けるためのものだと受け止めたいです。

遊びや音読で数の感覚を育てる

松本市立島内小学校でも、2024年度からスクリーニング検査を導入しています。
検査後は、対象となった子どもに対し、朝の15分を使って週1回、計8回の少人数指導を行います。
指導の一つが、相手の指と合わせて「5」を作るじゃんけんです。
「1と4」「2と3」など、5を構成する数の関係を遊びながら学びます。
足し算や引き算を九九のように音読する宿題もあり、目で見て理解することが苦手な子には、耳から入る情報を生かします。
一つの教え方で分からなくても、別の方法なら理解できることがあります。
子どもの努力不足と決めつけず、得意な力を生かす工夫が必要なのだと思います。

 「分かる」という喜びを守るために

少人数指導を受けた子の中には、数の仕組みに気づいて喜び、うつむきがちだった姿から、顔を上げて教室へ戻るようになった子もいました。
ほんの少しの理解が自信につながり、学ぶ姿勢まで変えることがある点は、とても印象的です。
算数障害のスクリーニング検査は、大阪府内の複数の市の小学校でも始まっています。
新年度からは、検査や個別学習を進めやすくするアプリ教材の実証実験も予定されています。
入学したばかりの子どもたちは、新しい学びに期待を抱いています。
その気持ちを失わせず、一人ひとりが自分に合った方法で「できる」「分かる」と感じられる学校であってほしいと思います。