ADHD(注意欠如・多動性障害)とは?

ADHDは「注意欠如・多動性障害」とも呼ばれます。多動は、実際には注意欠如と衝動性が身体面に現れたものです。
子どもであれば、どの子にもみられるものですが、生活や学業において悪影響を及ぼし、その状態が6か月以上持続している場合に一定の基準をもって診断されます。
今回はADHDの特徴や対処方法についてのお話です。

●ADHD「注意欠如・多動性障害」の特徴

ADHDの主な特徴としては「不注意」「多動性」「衝動性」が挙げられます。
それぞれの具体的症状は下記のとおりです。

1.不注意

・忘れ物や失くしものが多い
・ケアレスミスが多い
・直ぐに気が散る
・物事をやり遂げることができない
・整理整頓ができない

2.多動性・衝動性

・手足をせわしなく動かす
・じっとしていられない
・おしゃべりが止まらない
・急に走り出す
・静かにできない

こうした症状については、「不注意」の特徴が強く表れたり、「多動性・衝動性」が強く表れたり、どの特徴も表れたりするタイプもあります。

●ADHD「注意欠如・多動性障害」の原因

近年の研究では、18歳以下でのADHDの有病率は約5%であるとの報告があります。ADHDは神経系に原因がある脳の機能障害であり、特に前頭葉の働きが弱いことが関係していると考えられています。前頭葉の働きは物事を整理整頓するような論理的に考える時に使われます。またこの前頭葉が集中力や行動制御の機能に影響を及ぼす部位です。よってADHDの人はこの前頭葉がうまく働いていないことが原因と考えられています。

●ADHD「注意欠如・多動性障害」の原因のお子様との接し方

ADHD「注意欠如・多動性障害」の治療には「薬物治療」と「療育(発達支援)」があります。薬物治療については主治医と相談し、状況と成長に合わせて治療していきましょう。・
また、療育(発達支援については子どもにとって最適な環境の整備が必要となります。また、子どもが社会で人とかかわるために必要なスキルを身に着けることも必要となりますので、ADHDの子どもを持つ親のためのトレーニングなども活用しましょう。

・子どもに対しては、できることを増やす、その点を褒めて伸ばす
・動く時間と静かにする時間のメリハリをつける
・失敗しないよう、一緒に段取りや準備を行う、対策を考える

●まとめ

ADHD「注意欠如・多動性障害」の子どもは周りに理解されにくく、「落ち着きがない」「話を聞いていない」など誤解されがちで、注意を受けることも多いでしょう。しかし、その子が何のトラブルを抱え困っているのかを注意深くサポートし、心がけると良いでしょう。