発達障害の幼児に多くみられる特徴と対応法

今回は発達障害の幼児に多く見られる主な特徴と対応法についてのお話です。発達障害についての理解を深めることで、障害のある子どもたちが将来に直面するかもしれない障壁に対して、社会の一員としてひとりひとりが理解し、助けになれる大人の一人となる必要があるのです。

●発達障害とは?

発達障害とは、先天的な脳機能の障害です。
先天的であるとはいえ、身体的特徴があるような顕著な障害ではないため、生後すぐに診断がおりることはありません。
発達障害にも様々なタイプがあり、障害によって診断を受けられる時期も違います。
発達障害には主に下記のタイプがあります。
・ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)
・ADHD(注意欠如多動性障害)
・LD(学習障害)

●発達障害の種類別 子どもの特徴と対応方法

・ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)

自閉症スペクトラムの特徴として、「コミュニケ-ション」と「行動」の特異性があります。
出生から6か月くらいまでは全く症状が現れない場合が多いです。早ければ1歳半頃には「疑い」と判定され、3歳以降に正式に診断がおりるようです。
具体的な特徴としては、大人しい、表情が乏しくほとんど笑わない、周囲への興味関心が低い、強いこだわりがあるなどがあげられます。

対応方法としては、声をかけるときは短く丁寧に、興味関心のあることを少しずつ増やせるようにする、スケジュールや段取りなどが変わるときは、あらかじめ伝える、音などの感覚にも配慮するなどがあげられます。

・ADHD(注意欠如多動性障害)

ADHDの特徴として、「不注意」「多動性」「衝動性」があげられます。この特徴は障害の有無にかかわらず、乳幼児期の子どもにはよく見られる特徴のため、気づかれにくいものです。4歳以降に診断がおりることが多いようです。

対応方法としては、整理整頓をして、目から入る情報量を減らすことで注意散漫にならないようする、持ち物には目印になるシールを張るなど視覚的にわかりやすくする、落ち着かせ注目させてから話しかける(指示をする)などがあげられます。

・LD(学習障害)

LD(学習障害)は、読み・書き・計算が苦手という学びの場で感じる違和感が特徴です。よって、実際に学校で学習して認識されることが多く、小学生以降に診断されることが多いです。
なお、LD学習障害は幼児期には表れにくいため今回は特徴のみ記載します。

●まとめ

発達障害と診断されたら、親や周囲の大人が理解を深める必要があります。障害は個性として捉えられたりもします。しかし、いずれにしてもその特性に合わせた環境づくり、トレーニングをすることで、さらに得意な面を延ばし、苦手な部分を緩和できる可能性があります。