近年、食物アレルギーを持つ子どもが増えており、親として不安を感じる方も多いでしょう。特定の食材を食べた後に体に異変が起こるこのアレルギーは、成長とともに自然に治ることもありますが、正しい知識と対策が必要です。
そんな、食物アレルギーの症状や対処法、治る可能性について解説します。
食物アレルギーの主な症状
食物アレルギーの症状は軽度なものから重度なものまでさまざまです。主な症状には以下のようなものがあります。
このような症状が現れた場合、特にアナフィラキシーの兆候がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
1. 皮膚症状
じんましん
赤みやかゆみ
湿疹の悪化
2. 消化器症状
嘔吐
下痢
腹痛
3. 呼吸器症状
くしゃみや鼻水
喉のかゆみや腫れ
呼吸困難
4. アナフィラキシーショック(最も危険な症状)
急激な血圧低下
意識障害
全身の強いじんましんや腫れ
食物アレルギーは自然に治るの?
食物アレルギーは子どもの成長とともに耐性がつき、自然に治ることもあります。
●比較的治りやすい食物アレルギー
特に以下の食品に関するアレルギーは、成長とともに症状が改善することが多いとされています。
・卵(5〜6歳までに約8割が克服)
・牛乳(3〜5歳までに約7割が克服)
・小麦(5〜6歳までに約6割が克服)
●治りにくい食物アレルギー
これらの食品アレルギーは、大人になっても続くケースが多いため、注意が必要です。
・ナッツ類
・甲殻類(エビ・カニ)
・そば
食物アレルギーの対処法
食物アレルギーの管理には、日々の食生活の工夫が大切です。
1. 原因食品を特定する
アレルギー検査(血液検査や負荷試験)を受けて、どの食材が原因になっているのかを確認しましょう。
2. 食事管理を徹底する
アレルギー対応食品を利用する
外食時は原材料をしっかり確認する
家族や保育園・学校と情報共有をする
3. アレルギーの緩和を目指す
医師の指導のもと、少しずつ耐性をつける「経口免疫療法」を行うこともあります。
腸内環境を整えることでアレルギーが改善する可能性もあるため、発酵食品やバランスの取れた食事を意識するのも有効です。
4. 緊急時の対応を学ぶ
アナフィラキシーのリスクがある場合、医師からエピペン(アドレナリン自己注射薬)の処方を受け、使い方を学んでおきましょう。
何か異変が起こった場合は、すぐに救急対応をする準備を整えておきましょう。