大人の発達障害とは?

 

『発達障害』という言葉を最近はよく耳にするようになりました。有名人や芸能人が自ら告白するケースもあり、決して稀なものではなないと言えます。
発達障害と診断された方の中には、自分が診断されるまで、自分は人と何か違うという思いを抱え、つらい思いを抱えたまま過ごしてきた人も多いのです。「人とのコミニュケーションが苦手」「空気が読めない」「感情や行動にコントロールが効かない」「ミスや忘れ物が多い」等、様々な問題があり、周囲の理解を得られず、ただ『生きづらさ』を感じながら大人になることもあります。

『発達障害』という言葉を知ってもその特性はまだ知らない方も多いでしょう。
発達障害にはその特性に合わせて主に次の3点に分類されます。また、人によっては、複数の特性を併せ持つ場合もあります。

1.注意欠陥多動性障害(ADHD)
不注意・衝動性・多動性の3つの特徴があります。
1つのことに集中することが困難、予測や考えなしに行動してしまう、落ち着きがなくじっとしていられない等の点がみられます。

2.自閉スペクトラム症(ASD)
コミュニケーションをとることが苦手、日課・習慣・環境等の変化に弱く、物事に強いこだわりがあるという点がみられます。

3.学習障害(LD)
知的な遅れではなく、「聞く」「話す」「書く」「計算する」などの特定の分野の学習だけが極端に困難なことです。

こうした『発達障害』は生まれつきの脳の問題であって、後天性のものではありません。よって子供のうちに診断される場合もあるのです。子供が成長し、親や周囲の大人がコミュニケーションをとる中で、気づくことも多いようです。

しかし、親を始めとした周囲の大人に『発達障害』の概念が無ければ、「ちょっと他の子とはちがう」「個性的」という捉え方で、子供は成長し大人になっていきます。

こうした大人の発達障害とは、大人になり、社会生活を送るうえで子供の頃とは違う、高いコミニュケーション力や社会性等が要求される中で、子供の時から感じた「違和感」は決定的に自分の社会生活に支障をきたすようになることです。先述の通り、周囲の理解を得られず、ただ『生きづらさ』を感じることになり、『発達障害』という概念に出会い、診断を受けるケースも多いようです。

ただ、大人の発達障害を診断できる病院はまだ多くないのが実情です。
大人になってから『発達障害』と診断された場合でも、悪化を防ぐことはできますが、治すことはできません。
実際に治療は主に薬物療法と生活療法の2通りあります。
大人の発達障害は周囲の理解ももちろんですが、自身がその特性を理解することがより大切です。そしてお一人で悩まず、医療や福祉などの専門機関の支援も受け、少しでも日々の『生きづらさ』を軽減してほしいと願います。