「コミュニケーションがうまく取れない」「人との関わりが苦手」「こだわりがある」といった特性のある自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)。
「自閉症」「アスペルガー症候群」「高機能自閉症」とかつて呼ばれていた方も含まれる発達障害です。
こちらでは自閉症スペクトラム障害についてご紹介しましょう。
ASD「自閉症スペクトラム障害」の特徴
●社会性、対人関係
人との関わりが苦手で、場の空気を読んだり、相手の気持ちを考えたり、暗黙のルールを理解したりすることが難しいという特性があります。
言われたことを表面的に受け取ってしまい、社交辞令や比喩や皮肉がわからないので社会的な場面で困難に陥ってしまうでしょう。
●こだわり行動
ものの配置や物事の順番、自分のやり方への強い固執があり、趣味や関心によって極端な偏りをみせる特性があります。
このこだわりの程度や種類は一人ひとり異なり、手先が不器用だったり、感覚刺激に敏感、鈍い、といった特性もあり、日々の生活も困難に感じる子もいるでしょう。
ASD「自閉症スペクトラム障害」の原因
自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)は脳の障害とされています。
そのため本人の性格や親のしつけや育て方とは無関係です。
脳の昨日不具合のため、完全に治ることはなく、本人の特性にあった療養や教育、環境調整、対人関係や社会性に対する困難への配慮などにより、症状の改善や発達促進が期待できるとされています。
ASD「自閉症スペクトラム障害」のお子さんへの接し方
●言葉での伝え方
対人関係が苦手なので、言葉での説明は伝わりづらいです。
複数ことを同時にすることが苦手な子もいるため、まずは注意をひいてから、具体的かつ短い文章で一つずつ伝える必要があります。
また、イラストなどを使って視覚的に伝えると伝わりやすいでしょう。
相手の気持ちが分かりづらいという特性もあるため、表情や動作なども交え、「あれ」や「それ」といった代名詞はできるだけ避けることを意識します。
●感覚過敏への対応
感覚過敏のある子は、音や温度、臭い、光など感覚刺激に敏感です。
パニックや癇癪を起こす子もいて、集団行動を乱す原因になることもあるでしょう。
また、痛みなどに鈍感な(怪我をして腫れたり流血しているのに気づかない)子もいるので、とても危険ということを認識して配慮してください。
その子の特性に応じて、音や光など感覚刺激の原因になるものを少なくします。
イベントごとや騒がしい場所ではイヤーマフや耳栓、フードをかぶるなどをし、集団の場ではそういう子もいるということを他の子に伝えておきます。
まとめ
生まれつきの脳の障害であるASD「自閉症スペクトラム障害」。
その行動やコミュニケーションのとり方の理解への難しさもありますが、一人ひとりに合わせた適切な対応を行えばその子の生きづらさを軽減し、発達を促すことができます。
決してしつけや育て方のせいではない、本人の性格によるものでもない、本人も苦しんでいるということを理解していきましょう。