主体性を大切にした保育の取り組みとは

モンテッソーリ教育のように保育現場において「主体性」や子どもたち1人ひとりの「個性」を大切にする考えが浸透しています。

しかし、具体的にはどのような取り組みがされているのか、保護者はもちろん、保育士さん自身も試行錯誤の段階のケースもあるでしょう。

現役保育士さんの声を聞いてみました。

遊びをコーナー別に用意

主体性を育むには自分自身で「選択する」「決定する」という力が重要になります。

そこで子どもたちが選べるように「おままごとコーナー」「ブロックコーナー」などコーナー別に遊びを用意して、子どもたちが自分で好きなおもちゃや遊びを選択して決め、遊べるようにという活動をとっているケースです。

また、おもちゃや遊びだけでなく、その日の活動を大まかに子どもたちに伝え、その中で細かいことは子どもたちに保育者が聞いて決めていくというケースも。

なかなか自分の意見を話せない子がやりたいことに声を挙げたり、自分で選んで決めたことだからこそ片付けも意欲的になったりするとのことでした。

指示は最小限に

先生から与えられた教材で与えられたやり方で活動をしていると「みんなでこれをしよう」「これはしてはいけないよ」など声をかけている保育者もいますが、こうした声かけが日々続くと指示待ち人間になってしまいます。

先生の言うとおりにすれば、スムーズに時間内に作業が終わり、危ないこともないからです。

こうなると子どもたちは自分で考える力を失ってまうでしょう。

そこで主体性・自主性を育てるために実践されているのが「見守るスタンス」「必要なときにアドバイス」というもの。

すると子どもたち動詞で話す機会が増え、一緒に工夫してみたり、協力して活動をしたり、話し合って妥協点を見つけるなど協調性も育まれていきます。

ポイントは子どもたち自身に何かを決定させるような何気ない声掛けです。

選択したり、決定したり、協力したりする上でゲーム性をもたせるような声掛けも有効でしょう。

個人を大切にする観点から名前を呼ぶ

指示など活動に対する声掛けは、最小限に抑えるとのことですが、主体性を育むため、個人に目を向けるということから意識的に名前を呼ぶという取り組みをしている保育者もいます。

「○○ちゃん、おはよう」など挨拶ひとつとっても名前を呼ぶことで自分に言われたということが認識されやすいのです。

また、目線を合わせての挨拶にプラスしてその子がちょっとうれしくなるような声掛けを意識しているという保育者もいました。

「今日のお洋服かわいいね」「今日も元気だね」などちょっとしたコミュニケーションでOK。

何気ない一言が子どもたちの気持ちを盛り上げてくれるのです。