大学入学共通テストでの記述式問題見送り

大学入学共通テストでの記述式問題見送り
民間の英語試験の見送りとあわせ、2020年度の大学入学共通テストで導入予定だった国語と数学の記述式問題について見送りにすると12/17付けで発表されました。
また、延期ではなく制度自体を白紙にして考え直すとのことで、導入断念も含めた再検討とのことです。

記述式問題導入検討の背景

そもそも記述式問題を導入しようとした背景として、中央教育審議会(文科大臣へ答申する審議会、中教審)の答申によると、センター試験は「知識・技能」を問う問題が中心となっているため、「知識・技能」を単独で評価するのではなく、「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を総合的に評価するべきである。
と記載されています。

つまり、現状のセンター試験のマークシート方式では、受験生の思考力や表現力などを評価するには不十分だ→
そのため、記述式の問題も出そう→試験形式が変われば、対策をする学校教育も変わる→全体的な「思考力・判断力・表現力」の底上げへ
そういった狙いの元に導入を検討されたようです。

記述式問題導入の問題点

受験生を「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を総合的に評価するという点は良いのですが、その記述式の回答を「誰が」「どのように」「どんな基準で」採点するかが明確でないことが問題となりました。

文章を採点するのは、ベネッセホールディングスの子会社のアルバイトスタッフの予定だったとのことですが、「採点ミスの可能性」「採点者によっての評価のばらつき」「明確な採点体制の明示」の3点の課題については解消されないままでした。
また、採点ミスをなくすために、採点しやすい記述式問題が出題されて、受験者がそれに向けて勉強するようになれば、本来の目的とは逆の国語の能力低下を招きかねないとの懸念もありました。
その為、無期限で記述式問題は見送られることとなったのです。

記述式は各大学の個別試験で

すでに国立大学の二次試験では9割近くが記述式を導入しています。大学ごとに求める「思考力・判断力・表現力」は違いますので、大学側が2次試験でそれぞれが設定すれば問題ないでしょう。
記述式の導入は国立大が9割近くに対し、私立での記述式の導入率は4割程度となっています。むしろ私立大自身で高度な記述式試験の問題作成や採点ができないことが問題で、
記述式試験が対応できる人員と質を大学側で確保することが、全体的な「思考力・判断力・表現力」の底上げにつながるのではないでしょうか。