自己肯定感を高めるために

自己肯定感を高めるために
日本の子どもは自己肯定感が低いと言われていますが、特に10代から急激に下がる傾向があるようです。その背景と自己肯定感を高める方法についてご紹介いたします。

自己肯定感は10代から急激に下がる

日本の子どもの「自己肯定感」について調査した結果、諸外国と比べて自分に満足と答えた割合は、10代で60%、20代は40%まで落ち込みます。

他国でも同じような傾向はあるものの、日本ほど大きく下がっているわけではありません。
また、悲しい、ゆううつだと感じている子は、10代では70%、20代では80%となっており、特に10代は諸外国の平均が40%代であることから、突出して高いと言えます。
自己肯定感が低いと、「どうせ自分なんか」とあらゆることに否定的になり、何かに挑戦することもなければ、最悪の場合死を選ぶ場合もあります。
実際に、2019年版自殺対策白書では未成年の自殺数は599人となっており、統計を取り始めた1978年以降最悪の数字となっています。

参考:内閣府 自己認識調査

年齢が上がるほど、協調性が求められる

10代からの「自己肯定感」が下がる理由として、過度に協調性が求められる点があります。
昔から出る杭は打たれると言いますが、学校という集団生活の場では、良い点にしろ、悪い点にしろ目立つことはいじめや妬みの対象となり、
それを避けるためには周りの空気を常に読んで、目立たないように息をひそめるように学校生活を送らなければならないのです。

これを続けていると、あらゆる判断が「他人基準」となってしまい、ついには自分の気持ちを鑑みることもなくなり、いわゆる「自分がない」状態になってしまうのです。

自分で自分の判断ができない「自分がない」空虚な自分を好きになれるはずもなく、ますます自己肯定感が低くなってしまい、学校を卒業するころには、あらゆる判断を他人にゆだねてしまう社会人になってしまいます。

協調性を保ちながら、自己肯定感を高めるためには

学校という集団生活を送る以上、ある程度の協調性は必要不可欠のものです。周りとの和を大切にすること、そのために他人の意見を尊重することも必要な経験です。
その上で、自分の気持ちをはっきりと発表できる場を持つことが大切でしょう。

例えば何か音楽やスポーツなどに打ち込むこともひとつの手段です。自分を表現しそれが認められる機会というのは、何も言葉によるコミュニケーションだけではありません。
自分が一生懸命に打ちこめるものを見つけ、その結果何かしらの成果を得ることができる。その繰り返しが自己肯定感を高めることになります。
周りが多少やっかんだとしても、努力の結果掴み取った結果になんら心が揺らぐことはないでしょう。

このように、学校では自己肯定感が育ちにくいということを踏まえると、就学前の段階しっかりとした心の土台作りが必要なのは言うまでもありません。