保育園という閉鎖された空間でおきていること

保育園という閉鎖された空間でおきていること

福岡県宗像市の保育園で、園児だけでなく保育士に対して、日常的に暴力やパワハラを行っていたとして、園児や同僚への傷害容疑で副園長が逮捕されたとニュースで報じられました。

8年間見逃され続けてきた問題

このような事態になるまでに、市に11件も通報があったとのことですから、最初の通報の時点できちんと調査、改善指導をしなかった市にも責任はあると思います。
この副園長が就任したのは2011年とのことですので、約8年もの間、このような横暴が保育園の中で行われていたことになり、園児、保育士含めどれほどの被害者がいるのか想像もつきません。

一族経営の問題点

副園長が好き勝手できた理由は、園が一族経営であったことです。
今回は園長は副園長の父親であったため、何か問題があってもとがめられることも、罰則を受けることもなかったのでしょう。

企業運営以外の保育園では、このような一族経営を行っている所も少なくありません。

保育園というただでさえ密室になりやすいところで、運営も第三者の介入の余地がなければ、問題はこのように隠され続けてしまいます。

現在、福祉サービス第三者評価は保育所は「努力義務」となっていますが、これを義務とするか、きちんと定期的に受けている園の優遇制度などを実施する方が良いでしょう。

どちらにしても、8年の歳月の間に被害を受けた子どもたちや保育士さんの心の傷は消えません。
暴力におびえてトラウマになった子がいるかもしれません、パワハラの辛さにもう二度と保育士をしたくないと保育士を継続することを諦めた方もいるかもしれません。

多くの方の未来をゆがめ、奪ったかもしれないということを、経営陣はもちろんですが、市も重く受け止めていただき、同じような悲劇がおこらないようにしていただきたいものです。