就職氷河期世代を国家公務員で重点採用へ

就職氷河期世代を国家公務員で重点採用へ
26日付のニュースで、政府がバブル経済崩壊後に就職難だった就職氷河期世代の支援のために、国家公務員の中途採用枠で重点的に採用する方針を固めたことが報じられました。
政府は就職氷河期世代の正規雇用を3年間で30万人増やすことを目標としていますが、現状ではそのための政策のめども立っていない状態です。

就職氷河期世代が注目された理由

就職氷河期世代とは、バブル経済崩壊後の1993年~2004年頃に新社会人になった世代で、
現在は30代後半~40代前半までの年齢の方が該当し、「ロストジェネレーション世代」とも呼ばれています。
また、この世代は第二次ベビーブームである、「団塊Jr」を含んでいるため、2千万人以上の人口ボリュームとなっています。

これだけの人口がいながら、「ロスジェネ世代」は社会の中心となって、日本をけん引するような存在にはなれませんでした。

なぜなら、就職氷河期の就職難により、新卒からの入社コースから外れ、以後非正規のまま過ごした人、運よく就職できたとしても、労働基準法を順守しないブラック企業に入社したことにより、心身を壊してしまった人、能力があっても、社会で活躍するチャンスを貰うこととなく、引きこもりになったり、低賃金による貧困にあえぐ人が多数いるのが現実です。

現在の引きこもりは100万人以上、年代では40代が最多となっており、
これらは高齢者ひきこもり「7040問題」として社会問題として現れ、政府や国民がやっと事態の深刻さに気付き始めたというところです。

就職氷河期世代が30代に支援の手があったなら

この問題を放置すれば、引きこもりの40代が60代になった時点で生活保護になるのは間違いなく、社会保障費が破たんするのは目にみえているでしょう。

残念なのはこの問題に向き合うのが、あと10年早かったらなら、30代の就職氷河期世代であれば、企業側も採用しやすかったでしょう。
30代のうちに収入を安定させることができたなら、結婚や、子育ての夢を持つこともできたでしょう。
第三次ベビーブームも起きたかもしれません。

これ以上放置することはできない

今回の政策の前に、「就職氷河期世代」を対象にした職員採用を兵庫県宝塚市が実施したところ、3人の採用枠に全国から1,816人から応募があり、就職氷河期の再来のような倍率となっています。

このような状態では、3年間で正規雇用を30万人増やすことは絵空事でしかありません。
政府、企業、自治体、が一丸となって問題に取り組むこと、そして何より「就職氷河期世代」の方が「人生再設計」に向けて強い意思を持つことが大切でしょう。

もう二度と、このような不遇の世代を生み出さないためにも、
教育の現場でも、キャリア教育において社会に出てからのビジョンを描けるようにしておくことが必要ではないでしょうか。