居場所カフェとは、学校でも家でもない「第三の居場所」を校内につくるというコンセプトのもと、校内に作られたカフェのことです。
居場所カフェは、2012年に高校生活になじんでもらうために、大阪の府立高校に作られたのがはじまりとされています。
それから現在まで、NPO法人や民間にカフェの運営を委託し、カフェや学習室などさまざまな形で府内の高校に広がり、今では中学校での設置の動きをみせています。
「居場所」づくりで不登校を防ぐ
「居場所カフェ」のことの始まりは、大阪府の高校生が中退や不登校となる生徒の割合が全国平均の倍以上と高い数値になっていることでした。
不登校になると、家に閉じこもってしまい、一度閉じこもってしまうと、ますます学校に行きづらくなってしまいます。そして卒業できず、就職もできないという悪循環に陥ってしまいます。
そうなる前に、生徒たちが安心して悩みを話したり、雑談したりできる場所を作ろうという、セーフティネットの一環として作られました。
運営しているのは、PTAでもない、先生でもない民間スタッフのため、家庭での悩みや学校の悩みなどを気軽に相談できるようになっています。
そこで虐待など深刻な問題が浮かび上がった場合は、学校や関係機関と連携して解決するように動いているとのことです。
不登校になる理由はさまざま
大阪府の高校生が中退した理由は、
「進路変更」(39.7%)が最も多く、「学校生活や学業に適応できない」(29.9%)
が最も多い理由となっています。
適応できない子のうち、家庭の厳しい経済状況のため、学校生活に適応できず、通えなくなる子も多いとのことで、
その子の精神面だけではない、複雑な事情が絡んでいる場合もあります。
そのため、多方面からのフォローができる環境が必要ですが、それ以前に、問題が表面化する前に「中退」という形で目の前から消えてしまっているのが現実です。
まずは、学校ごとに子どもたちの声を丁寧に聞ける場所を確保し、その声を丁寧に救い上げる、ということから始めてみるべきでしょう。