お子さんのご飯の食べ方に悩んでいるという保護者の方はいらっしゃいませんか。
副菜、主菜、主食や汁物をバランス良く食べてほしいのに、好きなものばかり先に食べてしまうというお子さんは少なくないでしょう。
では、それぞれの食べ方のメリット・デメリットはご存知でしょうか。
お子さんに「なぜこの食べ方がダメなのか」を説明できるようになっておきたいですね。
「三角食べ」と「ばっかり食べ」
「三角食べ」とは、主食であるご飯や麺、汁物、主菜・副菜、牛乳などを一口から数口ずついったりきたりしながら食べること。
最初に主菜・副菜、次に主食、汁物という感じで一品ずつ順番に食べきってから勧めていくのが「ばっかり食べ」です。
「三角食べ」の習慣は、1970年ごろから一部地域の学校で推奨された食べ方で、「完食させたい」という学校現場のニーズに応えた指導と言われています。
また、文部化科学省が2007年に発行した「食に関する指導の手引」によると、「主食とおかずは交互に食べる」と記載されています。
つまり国の主導では「三角食べ」が当時は推奨されていたということです。
どちらの食べ方もメリット・デメリットがある
管理栄養士の成田崇信氏によると「三角食べ」と「ばっかり食べ」はどちらにもメリット、デメリットがあり、「三角食べ」が良くて「ばっかり食べ」が良くないということではないとのことです。
三角食べのメリット・デメリット
三角食べは主食や主菜、副菜などを並行して食べ勧めます。
そのため残してしまっても比較的栄養バランスが取れるのです。
また、硬さが異なるものを混ぜて食べることになるため、噛む回数が増えます。
すると顎をしっかり使いますし、満腹中枢が刺激されやすくなるため肥満防止に役立つでしょう。
ただし、混ざると味が薄くなり、味付けが濃くなりがちです。逆に塩分相当量が増えてしまい生活習慣病を危惧しなければいけません。
また、食材が混ざるのを嫌う子もいます。そういった子は「食べること」が苦痛になるでしょう。
極端ですが、指導の仕方によっては、摂食障害のひきがねになる可能性もあるのです。
ばっかり食べのメリット・デメリット
上記のように食材が混ざるのを嫌う子はばっかり食べを良いと考えるでしょう。
また、懐石料理のように一つひとつの食材の味を楽しめるという利点があります。
しかし、嫌いな食べ物や後で食べようと思って食べられなくなったものなどの食べ残しにつながるのは欠点です。
昨今では学校での「三角食べ」の指導は衰退気味です。
残してはいけないと食べられないものを前に教室に残される子もいるため、「行き過ぎた管理教育」などと言われています。
子どもの多様化が進む今の時代に合わないとうことでしょう。
食べ方に正解や優劣はないため、子どもが成長に必要な栄養を取れていれば問題ないのです。
ご飯と一緒に食べて美味しいもの、単品で味わうものなど料理に合った食べ方を伝えてあげましょう。