世界中の多くの教育現場で採用されている「モンテッソーリ教育」。子どもの興味や好奇心を尊重し、主体的に学びを深める点が大きな特徴です。
日本でも、藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園に通っていたことは、広く知られています。
そんなモンテッソーリ教育には、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
①自主性と自立心を育む
子どもが自分で選んだ活動に取り組むことで、自分で考え行動する力が身につきます。また、責任感や問題解決能力が育ち、将来的な自立にもつながります。
②個別学習による個性の尊重
一人ひとりの子どもの成長スピードや興味に合わせて学習が進められるため、無理なく自己のペースで学べます。個々の能力や興味を尊重することで、子どもの長所を伸ばします。
③感覚を刺激する教材
モンテッソーリ教育では、特別に設計された教材を使い、五感を使った体験を通じて学びます。これにより、抽象的な概念も具体的な体験を通じて理解しやすくなり、思考力や創造力を高めます。
④社会性を育む
異年齢の子どもが同じクラスで学ぶことが多く、年上の子が年下の子を手助けするなど、自然に社会的なスキルを学ぶ機会が増えます。共感力や協調性が育つ環境です。
⑤集中力の向上
子どもが自分で選んだ活動に集中する時間が多く、他者に干渉されずに集中力を養います。この集中力は他の活動にも応用でき、学習の基礎力を高めます。
デメリット
①規律や指示に慣れない場合がある
モンテッソーリ教育では、子どもが自由に学べる環境が提供される一方で、伝統的な指示型の教育には慣れにくく、学校や社会でのルールに順応するのに時間がかかる場合があります。
②自由の中で戸惑うことも
自由に選択できる環境は魅力的ですが、一部の子どもにとっては、指示がないことで何をすべきか迷ったり、どう行動すべきかが分からなくなることもあります。
③個別対応の難しさ
個別のペースに合わせた教育法であるため、特に大人数のクラスでは、教師がすべての子どもに十分なサポートを提供することが難しくなることがあります。
④伝統的な学校に移行しにくい場合がある
モンテッソーリ教育の後、一般的な学校に進むと、決まったカリキュラムや一斉授業に適応するのが難しいことがあります。特に、自己選択や自主性を強く意識してきた子どもには、違和感を感じることもあります。
⑤コストが高い場合がある
モンテッソーリ教育は、特別な教材や環境を必要とするため、一般的な学校よりもコストが高くなることがあり、保護者にとっては負担となる場合もあります。