共働き家庭の小学生のためのシステム「学童保育」とは?

学童保育とは小学生の放課後、夏休みや冬休みなどの長期休みの間の、家庭に代わる「生活の場」を提供することで、親の仕事と子育ての両立を支援するものです。
今回は共働き家庭の小学生にとって必要なシステム、学童保育についてのお話です。その目的や種類など利用するうえで参考にしていただければ幸いです。

●学童保育とは?

学童保育が求められている背景として、女性の社会進出が進んだことにより共働き世帯が増加したこと、離婚率の上昇によりひとり親世帯が増えたこと、核家族世帯が増えたように家族の形態が変化したことなど、社会全体の変化も関係しています。そうした変化の中で、子どもが安全に安心して過ごすことがてきる「生活の場」として学童保育が求められ、浸透していきました。
学童保育を管轄する主な機関である厚生労働省の「学童保育の目的・役割がしっかりと果たせる制度の確立を」の資料によると、目的・役割を次のように明記しています。

①共働き・一人親の小学生の放課後(土曜日、春・夏・冬休み等の学校休業中は一日)の生活を継続的に保障することを通して、親の仕事と子育ての両立支援を保障すること。

②学童保育は、年間278日、1650時間にも及ぶ家庭に代わる毎日の「生活の場」

成長期にある子供たちに安全で安心な生活を保障することが学童保育の基本的な役割となるのです。そして子どもが年間を通して継続し、親代わりの指導員の見守りの元、家庭のようにおやつの時間、宿題の時間、遊びの時間などの「生活」を送る場となるのです。

●学童保育の運営形態

学童保育には、公立と民間による運営のものがあります。

・公立の学童保育

公立の学童保育は「放課後児童クラブ」と呼ばれており、厚生労働省が管轄し、各地方自治体が運営しています。
小学校の施設内や公民館、児童館で運営されている場合が多いです。
指導員には放課後児童支援員の設置が必要など配置基準が定められています。
宿題をしたり、自主的に学習する環境を整えサポートはしますが、基本的には子どもはおやつの時間、遊びの時間など自由な時間を過ごします。
なお、「放課後児童クラブ」と似た名称で文部科学省が管轄する「放課後子ども教室」があります。長期にわたり継続して生活の場を提供するものではなく、子どもが学習・スポーツ・芸術などを通し交流することが目的の単発プログラムにつき、学童とは別のものです。

・民間の学童保育

公立の学童保育には利用できる学童の条件(留守家庭の子ども)などがありますが、民間の学童保育にはそうした条件がないところが多いです。民間の学童保育は学童保育としての主な目的である生活の場の提供だけでなく、保護者のニーズに合ったプログラムが用意されています。習い事や勉強など様々なプログラムがあり、子どもは当該プログラムを実践しながら時間を過ごします。

●まとめ

先述の通り、学童保育には公立と民間があり、それぞれに特徴があります。
公立の学童保育はまずは費用面が安いこと、公立である安心感が大きなメリットでしょう。また、子どもが自由な時間を過ごせる点もポイントです。しかし、閉所時間が18時までと早いところが多く、保護者の勤務形態よっては難しい場合もあるかもしれません。
一方、民間の学童は公立より費用面の負担は大きいでしょう。しかし、遅い時間まで預かってくれたり、夕食のサービスがある所もあります。また、習い事や勉強など様々なプログラムがあったりし、サービス面は充実しています。
子どもが長期にわたり継続して過ごす場となりますので、親としては子どもの意見も聞きながら、子どもの放課後が充実した時間となるよう選択することが必要です。